2016年頃から2018年にかけて仮想通貨が台頭したことから一気に話題となったブロックチェーン。
2018年半ばから仮想通貨の値段全体が下降の一途を辿っている事から、ブロックチェーン自体も世間的には少し置き去り感があります。
しかし、技術者の界隈ではブロックチェーン技術を利用したサービスを徐々にリリースしていこうと水面下で大きな動きがある世界となっています。
今回はブロックチェーン大学校FLOCというスクールが運営しているブロックチェーンに関する無料講座を受けてきましたので、その感想を書き留めておこうと思います。
ブロックチェーン大学校FLOCが開催している体験コース
今回体験したのはブロックチェーン大学校FLOCが開催しているブロックチェーン講座に関する体験コース。
東京や大阪のブロックチェーン大学校で開催されているとの事ですが、自宅で受講したかった為WEB講座を受講しました。
受講時間:90分
受講料:1000円
注意事項:申し込みから1週間以内に受講が必要
ざっくりとした講義内容については以下にまとめてみました。
ブロックチェーンの基礎
導入はブロックチェーンの基本情報。
最も身近な仮想通貨の話題からブロックチェーンのブロックがどのような動きをしているのか?という話や
マイクロペイメント
マイクロペイメントと呼ばれる少額決済についてのお話。
例えばメディアの1ページに0.1円、0.2円という値段設定とし、1ページ単位での決済を行うといった方法。
冷蔵庫自体はタダで配布し、その代わりに1回開けるのに0.8円、冷凍庫1回8円といった課金方法をとるなど。
ブロックチェーンを利用すれば現在の通貨単位の概念を覆す課金方法が生まれてくる可能性のお話。
スマートコントラクト
契約を効率化するプログラムのこと。現在はイーサリアムで稼働している。
自動販売機はスマートコントラクトの最たるものでお金を入れたらジュースを購入するという契約が成立する。
これらの契約をもっと大きな商売に応用できる可能性を持っているという話がメイン。
不動産業界や銀行などの契約にも応用できるのでは?と言われており、契約が
アメリカでは不動産で購入から登記までをイーサリアムを利用して完了するという事例が遂に出てきている為、近い未来に不動産業界では利用されるのではないかという話。
DAO
分散型自立組織のこと。
管理者がいなくても経済がまわっていくという話。
経営者がいなくて労働者がいる組織のことをDAOと呼んでいる。
給料の支払いをはじめ、あらゆる労働に必要な資源はブロックチェーンを経由して承認され、利用できるような全自動の社会を目指しているという話。
各国や企業の動き
アメリカをはじめとした世界各国の話。
アメリカやカナダ、ドバイ、ロシアなどの事例について紹介。
日本ではようやくブロックチェーンについての経済特区が作られた。
LINEやmercari、東京海上日動保険などの企業の動きも紹介。
決済や取引などの金融系には相性が良い為、最もブロックチェーンの活用が進んでいる分野。
その他にも資金調達やサプライチェーン、公共分野にも多く活用の場が考えられている。
どのようにブロックチェーンを活用するか?
ブロックチェーンを活用するのに大きく2つに分けられるとしたらエンジニアとビジネス。
現状エンジニアは足りていないのでブロックチェーンエンジニアを集めている企業は多く、
正直、ブロックチェーン技術はなくても入ってもらったら育てると言う企業も多いとの事です。
ビジネス面ではブロックチェーンを仕事に応用できる人はまだまだ少ない為、今から学びはじめても遅くはなく希少価値がある人材となれる可能性は十分にある。
これからベンチャー事業を立ち上げるにもブロックチェーンビジネスはまだまだ数が少ない事から、出資したい人も多いとの事なので大きなチャンスが眠っている分野とされている。
何よりも第4次産業革命の目玉として注目されている分野の為、インターネット黎明期に似た状態にあり、AmazonやGoogleのように十年後、数十年後には現在起業したベンチャー企業のいくつかがトップレベルの企業となっているのではないかと思われる。
WEB講座のまとめ
90分の講義の中ではブロックチェーンの導入部分に触れる内容だったため、難しい事を学びたい人には後述する講座を受けた方がいいと思います。
この講座自体もどちらかと言うと後述するFLOCブロックチェーン大学校が用意している講座への導入が主な目的だと思うので、ブロックチェーンに初めて触れる人向けに作られた講義になっていると感じました。
実際内容的にもブロックチェーンに関するニュースやちょっとした知識をかじった事ある人ならば知っている内容ばかりだと思いますし、受講料1,000円というのも参考書1冊購入したと思ったら妥当かなといったところです。
少なくともブロックチェーンを詳しく知る内容にはなっていない為、今までブロックチェーンに触れた事がないけどこれから触れていきたい人が受けるべき講座だと思います。
ブロックチェーン大学校FLOCの講座はどんなものか
WEB講座を受講すると最後にFLOCブロックチェーン大学校が開催している講座のカリキュラムが紹介されました。
以下の3つのコースが受講可能との事ですが、ブロックチェーン技術を用いた開発技術だけでなくビジネス面での活用事例や事業の作り方も教えてくれる講座との事なので、一般的なブロックチェーンプログラミング以上のものを学べる機会を得る事ができます。
このあたりのビジネスとしてブロックチェーンを活かすという視点はプログラミングだけを学ぶ他のオンライン講座とは違い、大きなメリットであると思います。
ベーシックコース
ブロックチェーンの基礎を学ぶ講座。
あくまで知識の土台となるコースの為、応用技術はビジネスコースやエンジニアコースで学ぶ必要が出てきますが、ブロックチェーンにはじめて触れる人の土台を作るコースです。
ブロックチェーンの基礎技術
ブロックの構造を知る
暗号技術とウォレット
P2Pの構造と技術
ブロックチェーン上の合意形成
ブロッチェーンの分岐とアルトコイン
ブロックチェーンで実現する未来
(全8回 × 90分)
※コース内容は変更になる場合があります
出展元:FLOCブロックチェーン大学校(https://floc.jp/course/)
ビジネスコース
ブロックチェーンを利用したビジネス構築について学ぶコース。
ビジネスへの活用事例や事業計画の書き方などについて学ぶ事ができるコースの為、実際に自分でビジネスを立ち上げたい人向けのコースになります。
こちらはビジネス実践者やこれから立ち上げたい方向けのコースの為、ブロックチェーン技術を磨くのではなく、ブロックチェーンのカリキュラム活用方法や事業化案などを学びたい方へおすすめのコースです。
Ethereumの仕組みとビジネス活用
スマートコントラクトとその活用事例
Rippleの仕組みとビジネス活用
仮想通貨取引とブロックチェーン
決済・送金手段としての応用
金融・証券分野への応用
流通分野への応用(サプライチェーン、コンテンツ流通)
情報管理分野への応用(不動産登記、シェアリングエコノミー)
ICOを取り巻く環境と実際の進め方
ブロックチェーンビジネスのケーススタディ
ブロックチェーンビジネス事業計画の作り方
(全12回×90分)
※コース内容は変更になる場合があります
出展元:FLOCブロックチェーン大学校(https://floc.jp/course/)
エンジニアコース ブロックチェーン実践科
実際にブロックチェーンを作ってみたい人、プログラミングスキルを学びたい人にはエンジニアコースが用意されています。
ブロックチェーン環境を実際に構築し、利用してみるところまで行うとの事なので、エンジニアとしてブロックチェーンに関わりたい人はコチラになります。
後述するスマートコントラクトのコースと併用して受講するとより幅広く技術を学ぶことができると思います。
ハッシュ関数を使った秘密鍵と公開鍵作成
ウォレットの作成
UTXO
未署名取引の作成
送金しよう
P2Pの仕組みの理解
P2Pの仕組みの構築
コンセンサス・アルゴリズムの理解
コンセンサス・アルゴリズムと拡張
ブロックチェーンを作る 前編
ブロックチェーンを作る 後編
(全12回×90分)
※コース内容は変更になる場合があります
出展元:FLOCブロックチェーン大学校(https://floc.jp/course/)
エンジニアコース スマートコントラクト実践科
エンジニアコースの中でもスマートコントラクトに特化したコースがこちらのコースになります。
ブロックチェーンを活用するメリットの1つである認証技術を根本的に変革してしまうスマートコントラクト。
ブロックチェーンを活用する上での魅力の1つとなりますので、こちらのコースのみ受講するのも十分に価値があると思います。
ハッシュ関数を使った秘密鍵と公開鍵作成
ウォレットの作成
UTXO
未署名取引の作成
送金しよう
P2Pの仕組みの理解
P2Pの仕組みの構築
コンセンサス・アルゴリズムの理解
コンセンサス・アルゴリズムと拡張
ブロックチェーンを作る 前編
ブロックチェーンを作る 後編
(全12回×90分)
※コース内容は変更になる場合があります
まとめ
WEB講座で受講した内容は本当に基礎の基礎でしたが、それでもブロックチェーンに触れるにはいい機会でした。
ブロックチェーン自体がまだまだこれから発展する技術ですので、今の内から学んでおくのも悪くないと思います。
その手段の1つとしてFLOCブロックチェーン大学校を選ぶというのは単純に技術だけでなくビジネスへの活かし方や基礎を固めるという意味でも、トータルでブロックチェーン技術者として成長するのに良い選択肢になるのでは?と思います。