HULFTを導入する上で必ずと言っていいほど1度は話題になるのが、
FTPやSFTPといったOS標準のファイル転送機能と比較して何がいいのか?
といったHULFTを選定する理由について。
なぜあえてHULFTを入れる必要があるのか?
FTPやSFTPといったファイル転送プロトコルを利用すれば良いのではないか?
という話題です。
このよく聞く話題について、今回はHULFTとFTP・SFTPの違いを比較しながら、HULFTを導入する意義を考えてみようと思います。
HULFTとFTP・SFTPの大きな違いとは?
HULFTはセゾン情報システムズが開発している商用ソフトですが、FTPやSFTPはWindowsでもLinuxでも標準で導入できるパッケージに含まれています。
よってOS標準の機能で実装したいならFTPやSFTPを利用すれば良いのです。
しかし、ここでいくつかの問題が発生します。
FTPやSFTPで通信をファイル転送を行う場合、実装する為にいくつかの壁を乗り越えなければならなくなります。
その壁と言うのはだいたい以下です。
- 転送ファイルの整合性保証
- セキュリティ面
- ファイル転送時の認証
- コード変換
- ファイル転送前後処理
- エラー通知方法
- 障害対応方法
- リラン方法
上記のような問題をクリアするために設計が必要ですが、相手ありきの話になるのでなかなかクリアできない事が多いわけです。
社内システムやローカル動作するシステムなら大丈夫でしょうが、社外相手となるとハードルが一気に高くなりがちです。
特に近年はセキュリティ面が注目を集めている事から、FTPやSFTPを利用するなら当然セキュリティ強化が求められます。
少し話がずれますが、セキュリティという観点に立つと平文通信のFTPはまずNGになります。
通信経路に暗号化がかかっていれば別ですが、FTP自体は一切のセキュリティ対策はなされていない為、通信をキャプチャする事で簡単に内容を傍受する事ができます。
この事実は結構な問題で、FTPの中には当然ユーザー情報やパスワード情報というものも含まれる事から、相手サーバー自体にログインする情報も漏洩し更なるセキュリティ事故を呼び起こす可能性があります。
SSHをベースとしたSFTPを利用すれば、セキュアシェルベースの通信となり、ユーザー情報やパスワード情報も暗号化、更に相手サーバーとも鍵認証による接続が必要となる事から多少の安心感があります。
しかし、その他にもファイル内容に対する制御や接続情報の取り決め、1次局や2次局の決定、選考後続ジョブとの連携など様々な面で新たな課題をクリアする必要があります。
しかしHULFTであれば、上述したような問題点に対する設定値が存在する為、HULFTの設定値を頼りに設計を行う事で、自動的に上述した問題に対する答えが選択肢として用意されているわけです。
よってHULFTとFTP・SFTPとの大きな違いとは
ファイル転送における課題をクリアできる機能が用意されているか否か
という事になります。
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