IT業界といえば切り離せないのがデータセンター。
データセンターはIT業界にはなくてはならないものですし、かの有名なGAFAも持ってる施設ですのでそれなりに働いている人は多いです。
でも実際にデータセンターで働いてる人が何をしてるか?という事をしっかり知ってる人は意外に少ないのではないでしょうか?
本記事ではデータセンターという言葉はよく聞くし、なんとなくどんな場所から想像がつくけど
- データセンターの中で働いてる人は何してるの?
- どんな職種の人が働いているの?
- データセンターの仕事ってきついのでは?
- データセンター勤務のいい所は?
という疑問にお答えしていきます。
本記事でデータセンターの中で働く事について正しく理解してもらえると嬉しいです。
データセンターの仕事内容
データセンターで働く場合の仕事内容は以下のような内容である事が一般的です。
- システムの運用
- システム監視
- システムのメンテナンス
- システム故障時の修理
一つずつ具体的にお伝えしていきますね。
システムの運用
「システムを運用する」という言葉をよく聞くと思いますが、システムが円滑に稼働するように決められたオペレーションを実行する事をシステム運用といいます。
システム毎で必要な業務用のジョブを実行したり、システムが出力するメッセージ確認をしたり、テープを交換したり、定期的に再起動したりと定期的に必要な作業を行います。
これらの作業は全て手順書が用意されていて、手順書に載っているコマンドを実行したり、画面ショット通りに手順実行してみたりといった事を行います。
手順書通りに行った時にエラーが出たり、手順通りにできなかった場合はよりシステムに詳しい人にエスカレーションする事になっている為、難しい事は何もありません。
それ故にシステム運用者またはオペレーターと呼ばれる職種は技術力は伸びにくいと言われています。
システム監視
システム運用が定期的に必要な作業なら、システム監視はアラート発生した時の初動を担います。
基本的にはシステム監視は監視専用のシステムが用意されていて、システムに異常がないかを常に監視しています。
そして異常なメッセージが出力された場合にはアラート通知という形で監視ツールに通知され、オペレータールームのパトライトが鳴る事が多いです。
パトライトっていうのは赤青黄の3段色で回転しながらファンファン鳴るアレです。
アラートが鳴ったら監視画面に駆けつけて、メッセージに応じた初動対応を行います。
もちろんこちらもメッセージ出力に対して対応する手順が全てマニュアル化されているので、対応に迷う事はありません。
解決する所まで求められるのではなく、必要な作業をしたらシステムに詳しい担当者へ連絡する事になります。
場合によってはサーバー本体を見に行き、異常な状態になっていないかを見に行ったり、故障ランプがついてないか確認するといった事もありますが、これらも全てマニュアル化されているので迷わず行う事ができます。
システムのメンテナンス
システムのメンテナンスもデータセンター業務においては欠かせません。
定期的に再起動したり、ログの保管して削除したり、バックアップ用のテープ交換したりと様々な定期メンテナンス作業を行います。
すごく地道な作業ですが、システムを円滑に運用するには必要な作業のため、運用オペレーターが行う事になります。
いわゆる縁の下の力持ちのような立ち位置ですね。
システム故障時の修理
システムも機械なのでパソコンやスマホと同じで壊れる時は壊れます。
壊れた機器を修理するのもデータセンター業務の重要な仕事の一つです。
サーバー自体が全損して壊れる事は稀ですが、ディスクが壊れたり、ケーブルが断線したりと事故は起こりますのでそれらの対処をします。
故障した場合は大抵アラートが鳴ったりランプがついたりするので、それらの合図を契機に故障箇所の確認や修理対応を始めます。
機器の修理の為に部品交換したり交換後のリカバリ作業をしたり、修理関係者と連絡をとったりと修理完了させてその後の動作確認までやって完了。
修理と言うと難しそうですが、それぞれが自分の役割に則って作業するので案外簡単にできます。
データセンターで働く人達の職種は?
データセンターの仕事は主にシステムの運用や機器のメンテナンスに携わる事が多く、以下の職種の人たちにとって縁がある場所です。
- 運用オペレーター
- カスタマーエンジニア
- インフラエンジニア
上記の中でも特に運用オペレーターとカスタマーエンジニアにとっては縁が深い場所。
メインの仕事場であり、常駐する事が多い職種になります。
インフラエンジニアは最近はデータセンターに出向く事が少なくなってきてますが、機器のセットアップや何かあった時に出向く事がある職種でサーバインフラの設計やシステム起動時の設定、ソフトのインストールなどを行う仕事です。
カスタマーエンジニアはサーバーやパソコンなどの機器をデータセンターで組み立てたり、修理をしたりと物理的なサポートを行う仕事になります。
それぞれの職種で特徴があるけれど、データセンターで絶対働く事になるのは運用オペレータの人たち。
以下からは特に運用オペレーターの人たちに当てはまる内容になっていますので、絶対に読んでくださいね。
インフラエンジニア、カスタマーエンジニアについてはそれぞれ以下の記事で仕事内容を詳細に説明していますので気になる方はチェックしてみてくださいね。
カスタマーエンジニアとは?仕事内容はきつい?将来性や求人状況は?
データセンター業務のきつい事
データセンターで勤務しているときつい事がいくつか出てきます。実際どんな事がきついかというと以下のような事。
寒い中で働かないといけない
データセンターはたくさんのサーバーが並んでいる所のため、非常に寒いです。
機器がオーバーヒートするといけない為、常にクーラーがかかっており、冷やしてるんですね。
事務室ならまだマシですが、長時間のサーバールーム作業となると寒すぎて体調に異常をきたすといけない為、雪山に登るときに着るような上着を置いてあるデータセンターもあるぐらいです。
夜勤からは逃れられない
データセンターに勤務してる人が避けられないのが夜勤。
データセンター勤務者の中でも特に運用オペレーターの場合はシフト勤務になる事がほとんどなので、夜勤は避けられません。
24時間365日体制のシステムが当たり前の現代なので、システム運用に関わる人も常時いないといけないんですね。
シフト制なので働き方が不規則
運用オペレーター限定の話になりますが、データセンター勤務は基本的にシフト制な為、働き方が不規則になります。
大抵の場合、朝昼晩の3つの時間帯でシフトが組まれる交代制の為、必ず早番や夜勤で働く事になるのでシフト制が嫌な人にとっては鬼門ですね。
働く時間はきっちり時間通りなので安定してますが、シフト制を避けたい人はデータセンターの特に運用オペレーターはやめといたほうが良いです。
勤務地が辺鄙な場所な場合が多い
データセンターは用途が特殊であり、大規模な施設である事から、立地場所が辺鄙で不便な場合が多いです。
ただでさえバカでかい建物が必要なのに、設備も充実させないといけなかったり、地震や津波の影響を受けない場所にしないといけない等の条件が揃った場所でないといけないのです。
都心にあるデータセンターは皆無に近いので、都心で働きたい人には向いてないでしょう。
やる事なくて苦痛な場合がある
データセンター業務はほとんどが定型化された作業です。
特に運用オペレーターの場合、トラブルがない場合は定例作業以外にやる事がない時も多く、暇すぎて退屈という声があがる事も。
資格の勉強したりゲームしてる人もいるぐらい暇な現場もある為、やる事がない状態に耐えられない人には苦痛ですね。
データセンター業務のいい所
辛い事もあればいい所もあるのが世の常。
データセンターで働く事のメリットもお伝えしていきます。
勤務時間が安定しており残業なし
データセンターはほとんどの場合がシフト勤務という話をしましたが、運用オペレーターの場合は残業は皆無です。
たまにトラブルの時に少しだけ残業する事もありますが、次のシフト帯の人たちに引き継いで帰る事ができます。
一般的なエンジニアとなるとトラブル時は帰れないのが普通なので、安定した勤務を望む人には良い職種です。
ただし、メーカー側のカスタマーエンジニアの場合は当てはまりませんのでご注意くださいね。
システム機器をたくさん見て触れる
データセンターはシステム機器がたくさん格納されている宝庫ですので、サーバー、ストレージ、ネットワークスイッチなどの多くの機器を見る事ができます。
今時、業務用サーバーの実物を見る機会が減ってきているので、見ることができるのも貴重な機会となってきています。
自由に触る事はできませんが、オペレーションで触る事もある為、機器を見たり触ったりしたい人には良い職種です。
安定した雇用
データセンター勤務の職種は何かと募集がかかっており、常に仕事があります。
データセンターで働く事自体、条件を選ぶ為、常に採用募集してますし一度採用されると雇用は安定してます。
データセンター内の業務は多岐に渡る事と上述したように勤務地が辺鄙な場所という事もあり、働く人も選ぶ傾向にあります。
自分が働こうと思いさえすれば、求人はいつでもあるので探すのも容易ですよ。
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データセンター勤務を辞めたいと思った時のキャリアプラン
データセンター勤務を続けていると辞めたいと思う時が必ず出てきます。
このまま続けてていいのかな?
運用監視の仕事って年を取った時に潰しがきくのかな?
サーバ監視の仕事は夜勤もあって体力的にもきつそう
様々な理由で「辞めたい!」と思うものの、なかなかアクションがとれない。そんな人も多数です。
他の職種に転職するにも今のスキルが活かせるのかわからない。
運用監視なんて大したスキルもつかないのでアピールするポイントがない。
と思いがちなんですよね。
ただ、運用監視の経験も以下のような職種であれば経験やスキルを活かす事ができるので、今後のキャリアに不安があるのであれば挑戦してみる価値があります。
インフラエンジニア
現在のキャリアとスキルを活かした転職をするのであれば、一番近いのはインフラエンジニアです。
インフラエンジニアはインフラまわりの設計、構築、テストなどをトータルで実行する職種の為、サーバ監視や運用保守をした経験を活かす事ができます。
サーバ監視で利用していた監視ソフトや実際にサーバ機器を操作した経験などは設計に役立てる事ができますし、LinuxをはじめとしたUNIX系OSを操作した経験があるならコマンド操作の経験も役に立ちます。
実際に中身を理解しなければ設計はできませんが、業務の中で中身を理解するために率先して学ぶ姿勢をとっていれば転職先企業にもいいアピールポイントができますよ。
クラウドエンジニア
インフラエンジニアと同じくクラウドエンジニアも運用監視やサーバ機器の保守経験を役立てる事ができる職種の1つです。
クラウド環境の導入や設計、構築、テストなどをトータルで実施し、システム環境を作り上げていく職種になります。
企業によってはインフラエンジニアとクラウドエンジニアの役割が同じ事もある為、インフラエンジニアとは役割の境界線があいまいです。
クラウドについては日進月歩で技術が進歩しており、新たな技術が次々と出てくる分野になる為、やりがいもあり面白い仕事でもあります。
インフラエンジニアと同じようにサーバ運用監視や保守の経験を活かす事ができる為、目指してみてはどうでしょうか?
現在のキャリアに自信がない、将来が不安で仕方ない人は以下のような転職エージェントに相談する事で道が開ける可能性が高まります。
データセンターの仕事からキャリアチェンジした人も多いため、相談に行くと思ってもいなかった職種の情報を聞く事ができるかもしれませんよ。
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まとめ
データセンターで働く中でキツイのは以下の5点でしたね。
- 寒い中で働かないといけない事
- 夜勤から逃れられない事
- シフト制で不規則な働き方が多い事
- 勤務地が辺鄙な場所にある事が多い事
- やる事なさすぎて暇な可能性がある事
でも、慣れてくると快適な働き方になる事も多いため、データセンター勤務が気になる方は検討してみてはどうでしょうか?