ここ1~2年でフリーランスのITエンジニアが一気に増えると共に、今なおプログラミングを学ぶ人やIT業界で仕事をしたい人が増えているようです。
ITエンジニアが不足しているという現状も相まって、多くのエンジニアが転職したりフリーランスになる事で年収アップを果たしています。
そんな中でよく聞くのが
「未経験でも勉強すればフリーランスになれますか?」
と言うもの。
現在のITエンジニアが不足している状況やエンジニアへの転職までサポートしてくれるスクールが登場してきている事から、上記のように未経験から目指す人が増えているようです。
そこで今回は現役フリーランスエンジニアでもある筆者がエージェント会社の方たちに
未経験からフリーランスエンジニアになる為の方法について聞いてきました。
未経験からフリーランスエンジニアとしてエージェント登録できるのか?
エージェント会社の方々にIT業界未経験でもフリーランスエンジニアとして応募してくる人はいるのか?
と聞いたところ、結構いるとの回答がありました。
そこで、そのような方が応募してきた際にはフリーランスエンジニアとしての登録を認めているのか?
と聞いてみたところ、
それは流石に認めていない。少なくとも3年程度の経験はほしい。
と答えられるエージェントがほとんどでした。
理由としては
- IT業界は実績を重視される為、実績がないエンジニアの就業は難しい
- 企業における教育や情報収集を通して仕事の型を学んでほしい
- 未経験でフリーランスにしてしまうとプロとしての成果が発揮できない
といった理由があげられ、少なくともフリーランスエンジニアになる為の最低条件は満たしてからの登録をお願いしているようです。
それぞれの理由についての詳細についても次にお話していこうと思います。
IT業界は実績を重視される為、実績がないエンジニアの就業は難しい
IT業界はとにかく実績重視です。
難しい資格を取得している事よりも、現場経験や実務経験、どういったプロジェクトにどのような立場で参画してきたのか?を重視される傾向にあります。
特にお客様から仕事を貰う際にはエンジニアの経歴書を見た際に
「何をどのような現場で経験してきたか?」
という事を中心とし、
勉強した事よりもどのような現場で経験を積んできたのか?
という面を重視します。
よって経験が浅いと見られる技術経歴書を見せても企業からの仕事の受注が非常に難しいとの事でした。
これが会社員なら、上司と一緒に経験を積むための施策を打ち、未経験でも何らかの経験を積む場所に入れます。
また売上に貢献していなくても給与ももらえます。
そのような新人もいる事を考慮の上でフリーランスに求める事は1人で仕事を完結させてくれる力が求められるのは自明の理です。
よって、未経験でフリーランスになってエージェントへの登録を行うというのは難しいという事です。
企業における教育や情報収集を通して仕事の型を学んでほしい
フリーランスエンジニアにいきなりなってしまうと
仕事の進め方がわからないままフリーランスになる事になります。
フリーランスになるとどうしても勉強は自分の力でやる事になりますが、
技術は勉強できてもそもそもの仕事の型みたいなものを学ぶ機会はなかなかありません。
例えば
スケジュール管理はどうするのか?
とか
プロジェクトの進め方は?
といった基本的な事がわからないまま仕事を行う事が出来ないため、基本的にはまずは企業に属して基本的な事を習得してほしいと考えているとの事です。
最近流行しているプログラミングスクールや職業訓練校といったエンジニアを育てる為のスクールは
基本的な技術は教えてくれますが、実際の仕事の進め方までは教えてくれない所がほとんどです。
またプログラミングができれば仕事ができるかと言うとそんな事は決してなく、
むしろ仕事の進め方や基本的な型といったものができていないと
仕事ができない
という烙印を押される事がほとんどです。
もしそんな烙印をフリーランスで押されてしまうと仕事の受注が難しくなってしまいますので、まずは仕事の型を覚える事を優先しましょう。
未経験でフリーランスにしてしまうとプロとしての成果が発揮できない
エージェントの方たちはあくまでプロのフリーランスエンジニアを企業へ送り出す事を主体としています。
フリーランスエンジニアの人たちが即戦力として活躍してくれるからこそ、企業もフリーランスエンジニアの価値を認めてくれるし仕事の継続受注に繋がるとの事でした。
またフリーランスエンジニアに対して行う業務委託契約というのは
あくまで自社内でまかなえない業務を遂行するために業務を委託する事を指しています。
よって企業から業務を委託する際に、委託先の人らが自分たちで業務を遂行する力がなければ成立しません。
独立して仕事ができるだけの実力が必要
というのはフリーランスの宿命ですので、忘れないようにしておきたいですね。
最低でも3年はほしいIT業界の経験
では未経験でなければどれぐらいの経験が欲しいのかというと、
最低3年
とのお話でした。
どうにか仕事を受注でき、プロジェクトにも参画できる節目が3年ぐらいというのが基準だそうです。
あくまで早くて3年との話で、経験している内容にもよるので一概に言えるものでもありませんが1つの基準として捉えられる数字だと思います。
また経験している内容としても、開発プロジェクトで上流工程から下流工程まで全てを経験している方が良いとの事でしたので、経験を積むなら開発案件にしましょう。
ちなみにフリーランスで開発案件を受ける場合、それなりのスキルと推進力を求められる事がほとんどの為、3年の経験では厳しい可能性も十分にあります。
少なくともウォーターフォール型の開発とアジャイル開発と一通り経験を積んでおくのが望ましいですね。
未経験からフリーランスエンジニアを目指す最短ルートは?
上述したように未経験からだとフリーランスになるのは難しいとの事ですので、最短ルートは以下のようになります。
↓
3年後に独立し、エージェント登録して仕事を受注
↓
フリーランスとしての経験を積む
IT企業に就職して経験を積み、独立するという王道パターンです。
さて、上記のルートとは別にもう一つ最短ルートというのも存在します。
それはIT企業に就職せず、エージェントにも登録しないで自力でフリーランスとして活動する事です。
現在はランサーズやスキルクラウド
、ココナラ
の個人で受発注を行うプラットフォームが揃っている為、仕事を個人で受注している方も大勢いらっしゃいます。
ただし、ここでモノを言うのもやはり実績になってきます。
とにかく自分の作ったシステムやアプリ、Web、イラストなどを実績ベースで見せる事ができれば仕事を受注する事は可能でしょう。
最初の1つ目の仕事を受注し、ちゃんとした成果を出す事ができれば、そこから仕事が繋がる事もありますし、口コミで広がっていく事もあります。
とにかく最初の1つ目の仕事をきっちりとやり上げる。
できれば自分ができる事を実績ベースで商品や作品としてため込んでおく。
そのような形でフリーランスを目指すという手もあります。
まとめ
IT業界の何よりも実績を重視するという環境は未経験からフリーランスでやってみたい人にとっては少し厳しい環境かもしれません。
しかし、最低3年という期間をうまくクリアできれば一気に仕事の受注につながる事もあります。
どちらにせよフリーランスとしてやっていく場合は計画性も重要になりますので、3年というスパンを含めた長期計画を立ててフリーランスを目指してみてはいかがでしょうか?