SI(システムインテグレーター)企業と呼ばれる企業はIT業界の中で様々な役割を担っており、多くの企業が活躍しています。
そんなSI企業は日本のIT資産の中核を担ってきたわけですが、いかんせん数が多いためどんな役割の会社かわからない場合も多々あります。
そんなSI企業にはいくつかの役割に分類できる為、本日はSI企業の分類と役割についてお話したいと思います。
SI企業の役割で分けられる6つの分類について
SI企業は大きく分けると6つの役割を持つ企業に分類されます。
その6つと言うのが以下の系列です。
- ユーザー系SIer
- メーカー系SIer
- コンサル系SIer
- 独立系SIer
- 外資系SIer
- 中小SIer
それぞれの役割は以下になります。
ユーザー系SIer
もともとは大手企業の情報部門から独立した情報子会社としての役割を持つ。
大手企業が社内の情報部門で担っていたシステム開発や管理の役割を切り出して子会社化したもの。
中には独自サービスを持つ会社もあるが、基本的には親会社の情報企画部門の提案から始まった企画を実現する企業としての意味合いが強い為、親会社である大手企業のシステム開発や運用が中心です。
メーカー系SIer
サーバーやパソコン、ソフトウェアなどの情報機器を取り扱っているメーカーが情報機器のサポートをはじめとし、システム開発を手掛けたのがはじまり。
日立や富士通、IBMなどパソコンを一般市場にも販売しているメーカーがシステム部門も持っていると考えると良いでしょう。
実際にサーバーや業務用ソフトといった情報機器の販売も行っているので、クライアント企業にハードウェアやソフトウェア、それらを使って開発する役割を担います。
コンサル系SIer
企業の情報企画をコンサルティングを主体としてかかわるSIerです。
システム企画や情報機器を利用した企画を立案、提案し戦略を立てたり案件を立案する事からはじめます。
その立案した戦略に対してシステム提案を行ったりする事もある事から、コンサルティングに加えてシステム開発を行っている企業も多いです。
野村総研や大和総研といった企業がコンサル系SIerとしては有名です。
独立系SIer
メーカーや大手企業の資本ではなく独自の出資や資本で成り立ってきたSIer。
独立系SIerは特定の商品を独自に持つ企業ではありませんが、大手企業の代理店としての役割を担ったり様々な企業とのジョイントで企画立案したりしています。
大塚商会やTISといった企業などがその代表で、多くの商品を取り扱うと共に様々な企業と合同セミナーを開催していたりと企画立案に積極的な傾向にあります。
外資系SIer
名前の通り外資系企業として本社を構えるSIer。
多くの企業が独自ソフトウェアを持ち、世界にシェアを持っています。
最近ではクラウドサービスを展開している企業も多く見られます。
OracleやSAPといった世界で名だたる企業として活躍している企業が代表的な企業として言われています。
中小SIer
多くのSI企業の下請けがメインの業務となっているのが中小SIerです。
IT業界においては中小SIerが大手から下請けとして多くの企業が仕事を受注しています。
中小SIerに対して大手企業からも多くの発注が出されており、システム開発や運用を任せていますので実態としてシステム開発や運用を行っているのはほとんどが中小SIerだったりします。
中にはSES企業という部類の企業もいるのが大きな波紋を呼んでいますが、独自製品を作って業界で地位を確立しようとしている開発会社もいるので、そのあたりは混同しないようにしましょう。
SI企業同士の関係性について
上述した企業の役割ですが、各々の企業に利害関係があります。
その関係性について以下のような関係図に表す事ができます。
実際、日本のSI企業の役割については上述したような利害関係にあり、それぞれの系統がお互いに役割を補完しあっておりお互いに仕事を受発注している関係性にあります。
例えばユーザー系SIerはクライアントとなる大手企業の情報子会社である為、大手企業が立案した情報企画について具体的な提案や企画の実現を推進していきます。
企画立案についてはコンサル系SIerが提案している事もありますし、企画の実現に向けてはメーカー系SIerや独立系SIerから機器の見積や購入を行います。
外資系SIerは少し特殊な立ち位置で、IBMのように直接システム企画や立案を行う場合もありますが、OracleやSAPのように製品販売を軸として大手メーカーと組んで販売に向かっていきます。
そしてそれらのシステム開発やテスト、運用の実働部隊としての仕事を行っているのが中小SIerになります。
中小SIerの中にも序列があって、上述した企業の1次請負として仕事を受注している企業もいれば、さらにその下請け、孫請けとして仕事を受けている中小SIerもいます。
中小SIerについては千差万別の為、どういったビジョンを持った会社なのか?が重要です。
まとめ:SI企業はお互いの関係性で成り立っている
SI企業それぞれが持つ役割についてまとめてみました。
お互いに役割を補完しあっている事から、就職する場合にもどの役割にあたる企業なのか?をしっかりと見定めて入るようにすると良いでしょう。